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会長挨拶


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      公益社団法人日本照明家協会

       会長   勝柴次朗






 日本照明家協会は、舞台やテレビに携わる照明家たちの〈技術向上と社会的地位の確立を図る〉ために発足しました。照明に関わる技術は、この数十年で飛躍的な進歩を遂げ、それらを各照明家たちが世代やジャンルの垣根を超えて共有するための仕組みも出来つつあると言って良いと思います。
 いっぽう、社会的地位という面を見ると、当協会が発足した頃に比べれば「照明家」という存在が社会の中でも正当に認知されるようになり、その地位の確立もほぼ達成されているかに見えます。しかし同時に、これまで「照明家個人」の知識や技術の成果として認められて来たものが、次第に会社やプロダクションの資金力や機材資産に依存するようになって来ている、ということも否めないと思います。
 「照明家」とは、照明の知識や技術を身につけた「個人」です。それは昔も今も変わりません。その活動形態が個人事業主(フリーランス)でないとしても、例えば会社や団体に所属していても、照明家としての存在の本質は、あくまで「個人」にあります。照明家はあくまで「個人として」尊重されるべきであり、所属する会社・団体の利益や、制作中のプロダクションの都合のために、個人としての照明家の権利・尊厳・名誉が傷つけられるようなことがあってはいけません。それらを守ることが、この時代における「照明家の社会的地位の確立」であり、日本照明家協会が担うべき役目となってきています。
 昨今は非正規雇用や長時間労働が増え、「企業の論理」「利益の追求」を優先するあまり、個人の持つ技術や知識の価値が見逃されることが多くなりつつあります。そのような時代情勢の中、個人として存在する照明家たちの権利・尊厳・名誉を守るため、当協会の役割がますます重要となって来ていると言えるでしょう。
 日本照明家協会は、個人としての照明家を正会員とし、照明家同士がお互いに助け合いながら、照明家の権利・尊厳・名誉を守っていくために結成された組織です。照明家という仕事の価値・意義を共有し、良い環境の中で良い照明を作り続けていくために、ぜひこの組織を活用してください。
 日本照明家協会は、照明家一人一人のための組織です。照明家にとってより意義のある協会の形を、会員の皆様と一緒に作っていきたいと思います。

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